ソロキャンプにはコンパクトなクッカーセットがあると便利です。私が愛用しているのはEVERNEWのクッカーセット。といっても、もともとセットで販売されているわけではなく、単品で販売されている製品を組み合わせたクッカーセットです。
EVERNEWからはソロ用のクッカーとして便利な、Backcountry Almi Pot(バックカントリーアルミポット)が販売されています。その中に、Ti 570、400FD、Ti 220 FH Demitasseという3つのマグカップをスタッキングすることが出来ます。
Backcountry Almi Pot
┗Ti 570
┗400FD
┗Ti 220 FH Demitasse
すべて組み合わせることにより、コンパクトなクッカーセットができあがります。
ソロキャンプやソロハイクにはこのセットさえあれば間違いがありません!ちょっとした湯沸かしから炊飯までお手のものです。今回は、コンパクトで、扱いやすいBackcountry Almi Potと3つのサイズのマグカップの魅力をお伝えいたします。
Backcountry Almi Pot(バックカントリーアルミポット)の魅力
SPEC
| 素材 | 本体:アルミニウム(アルマイト加工) ハンドル:ステンレス |
| サイズ | 径 122 × 深さ 67cm |
| 容量 | 650ml |
| 重量 | 140g |
| 生産国 | 日本 |
Backcountry Almi Pot(バックカントリーアルミポット)は、以前LOTUSというブランドから販売されており、UL(ウルトラライト)志向のハイカーを中心に絶大な人気がありました。
しばらくの間廃番になっていましたが、EVERNEWから、今年(2021年)にほぼ同じスペックで復刻されました!
ソロキャンプやソロハイクに最適なサイズ感

よく見かけるソロ用のクッカーは縦長で、深型のものがスタンダードです。Backcountry Almi Potは他の製品とくらべて、ありそうでなかった、幅広で浅型のクッカーです。
- 高さが抑えられているためシングルバーナーに乗せた場合にも、グラグラとせずに安定感がある
- 一方で、不足感を感じにくい適度な深さ
- コンパクトなので、バックパックの中にも納まりやすい
容量がソロにちょうどいい
Backcountry Almi Potの容量は650mlです。著者が2泊3日以上の登山に出かける場合、荷物の軽量化の為に、食事はアルファ米やカップラーメン、フリーズドライ食品が中心になります。
例えば、ある日の夕食の献立に必要なお湯の量を見てみましょう。
フリーズドライのカレー:150ml
味噌汁:150ml
インスタントコーヒー:150ml
合計すると夕食に必要な湯量は610mlです。
山頂付近では、気温が低く風も強いことが多いので、すぐにご飯が冷めてしまいまいます。ガスやアルコールなどの燃料も限られており、できるだけ素早く食事を調理する必要があります。
Backcountry Almi Potならば、必要なお湯を一度に沸かすことができるので、時間と燃料の節約になりますね。

内側には200ml、400ml、600mlの水量の位置に目盛りがあるので、湯量の計算に便利です。1合のお米を炊飯する場合は、200mlの目盛りまで水を入れれば、うまく炊飯ができます。
アルミ製なので本格的な調理にも使用できる
アルミ製のクッカーはステンレスやチタンの製品よりも熱伝導率が良く、食材にまんべんなく熱を伝えることができます。
Backcountry Almi Potもアルミ製なので、お湯を沸かすだけでなく、煮る、焼く、炊くなどの本格的な調理にも使用できますよ。

Backcountry Almi Potの表面は、アルマイト加工が施されています。焚火に直接かけたり、金属製のたわしや、へらなどで擦ってもコーティングが剥げることがないので、必要以上に気を遣わずにガンガン使用できます。
※ノンスティック加工(セラミックと樹脂の複合によって形成された表面処理)に比べて、焦げ付くことはあります。
焚火調理にも使いやすい

Backcountry Almi Potの最大の特徴はこの上向きの持ち手です。持ち手が上部にあることにより、焚火の上に吊り下げて、調理や炊飯ができます。
持ち手部分を片側に傾けると、持ち手がクッカーの底まで倒れずに、上部で固定される仕組みになっています。
このような仕組みがないクッカーは、焚火調理をすると持ち手部分が焚火で暖まり、素手で触ると、火傷をするぐらい熱くなってしまいます。
一方でこのクッカーならば、その心配はありませんね。

持ち手を逆側に倒せば、クッカーの底まで倒すことができるので、収納時はコンパクトになります。また、さらに収納をコンパクトにしたい方のために、ワンタッチで持ち手部分を取り外すことができますよ。
持ち手に、シリコンなどの溶けやすいパーツは使われていないので、焚火にくべて調理も安心です。

蓋は縁の部分が少しだけ盛り上がっているので、写真のように炭を置き、ダッチオーブンのように、上方向からも熱を加えて、調理ができます。

蓋のつまみは蓋の中央でなく、あえて端に配置されています。調理中に蓋を全開にしてしまうと、せっかく中にこもった熱を逃がしてしまいますが、端につまみがあることで、少しだけ蓋を持ち上げて中を確認することができます。
つまみ部分にもシリコンなどの溶けやすいパーツは使用しておりません。
調理中につまみは高温になっていることがあります。中身を確認するときは、皮手袋を着用するか、スポークや箸などのカトラリーを使用して蓋を持ち上げましょう。
Ti 220 FH Demitasse、400FD、Ti 570、3つのマグカップの魅力

写真左から、Ti 220 FH Demitasse、400FD、Ti570です。このサイズ違いのマグカップはBackcountry Almi Potにマトリョーシカのようにシンデレラフィットします。
共通の特徴と、各々のマグカップの魅力を詳しく説明いたします。
SPEC
| サイズ | 容量 | 素材 | 重さ | |
| Ti 220 FH Demitasse | 径75×深さ55mm | 220ml | チタニウム | 42g |
| 400 FD | 径95×深さ58mm | 400ml | チタニウム | 50g |
| Ti 570 | 径120×深さ61mm | 570ml | チタニウム | 55g |
チタン製で超軽量
3つのマグカップはチタン製。
通常のチタンクッカーは0.4mmの薄板が用いてられますが、EVERNEWのマグカップは0.3mmの超薄板を採用することで20%の軽量化に成功しています。また、軽量なだけでなく、強度も抜群です。
ちなみにEVERNEWは世界初のチタン製コッヘルを発売したメーカーです。金属加工技術には定評があり、その完成度の高さから、チタン製品は世界中のアウトドア好きに愛用されています。
持ち手部分は精度が高く、扱いやすい

3つのマグカップの持ち手部分は、折りたたんでコンパクトにすることが可能。

開けば持ち手部分をしっかりと固定することができます。
持ち手部分が不安定な製品を使った場合、中身を落としてしまう恐れがありますが、EVERNEWのマグカップは安定感抜群!細やかな心使いですが、他社の製品よりも確実に使い勝手は一枚上手です。
また、持ち手部分にはシリコンのチューブがついているので、手から滑りにくく、調理中の火傷防止になります。
湯沸かしのみに割り切った使い方が正解

チタン製品は熱伝導が悪く、炊飯や煮物などの本格的な料理には適しておりません。チタン製品は湯沸かし専用と割り切って使用するのが正解。
ステンレスやアルミのクッカーと比べて軽量なので、フリーズドライの調理が中心の長期の山行に向いていますね。
各々のサイズや使い方を細かく見てみましょう
【Ti 220 FH Demitasse】
Ti 220 FH Demitasseの容量は220ml。一般的なシェラカップが300mlほどなので、シェラカップよりもやや小ぶりになります。

デミタスという名前の通りコーヒーやフリーズドライのスープを飲むのにちょうどいいサイズ感です。
このサイズのマグは他に似たような製品が少なく、どんなクッカーにもスタッキングしやすいので、個人的にかなりお気に入りの製品です。
【400FD】
400 FDは3つのカップの中で中くらいのサイズです。容量は400ml。カップとしてもクッカーとしても使用できる絶妙なサイズ感が魅力です。

150ml、250mlの水量の位置に目盛りがあるので、水や米の軽量に便利です。

OD缶の110サイズがピッタリと収納できます。
【Ti570】
Ti570は3つのカップの中で最も大きなサイズ。容量は570mlあるので、袋タイプのインスタントラーメンの調理が可能です。
ユニークなのが160ml、330ml、450mlの場所にある目盛りです。
ハイカーにはおなじみの尾西のアルファ米に必要な湯量が160ml。持ち運びやすくコンパクトな、カップヌードルリフィルに必要な湯量が330ml。450mlは大き目のカップ麺に最適な湯量です。
完全にハイカーの使用を意識した作りになっていますね。

縁の部分は外側に大きく開いているため、湯切りがしやすいです。コーヒーのドリップもうまくできますよ。
また、Ti570には専用の蓋やネオプレーン製のケースが別売りされています。蓋やケースを購入すれば、Ti570を中心としたクッカーセットの構築も可能です。
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