オピネルナイフの黒錆加工

オピネルナイフのNo.10 カーボンスチールモデルを黒錆加工しました。(写真は、加工前)
カーボンスチールのナイフをそのまま使うと、ちょっと濡れただけであっという間に赤錆が発生してしまいます。

しかし、あらかじめ「黒錆」で表面をコーティングすることで赤錆の発生を防ぐことが可能です。
その手順をご紹介します。
そのまま漬けるか、分解するか
紅茶と酢で作った溶液にナイフを浸すと、黒錆加工をすることができます。
やり方は大別して2通りありまして、分解せずにそのまま漬けるか、分解してから漬けるか。
個人的には、ナイフの全体を隅々に綺麗に加工したかったので分解することにしました。
黒錆加工手順
ロックリングを外す
まずは、ロックリングを外します。
ロックした状態でナイフを引き上げると、ロックリングが上にズレて外すことが出来ます。
不意にナイフが持ち上がったときに危ないので、革手袋などを着けて作業することをお勧めします。
ロックリングが取れました。
ピンを外す
次に、ナイフを留めているピンを外していきます。
写真真ん中に映るピンですね。
OPINELのロゴの無い側(裏側)からポンチとハンマーで押します。
こんな感じですね。
すると、反対側にピンが突き出してきますので、ある程度出てきたらこっち側からペンチなどで抜き取ります。
ピンはかなり硬いので作業は気をつけてください。
また、ポンチで押しすぎるとピンが変形して抜けにくくなってしまうので注意が必要です。(やらかした)
というのも、ブレード(刃)に開けられた穴とピンのクリアランスがキツキツで、ピンが潰れて太くなると抜けなくなるのです。
叩くのはほどほどにして、少し頭が出てきたらペンチで抜くぐらいにしておくとスムーズです。
ブレードを取る
ピンが抜けました。ピンが抜けるとブレード(刃)も抜けます。
内側のリングを外す
最後にハンドルから内側のリングを外して分解完了です。
紅茶を濃いめに煮出す
次に、紅茶を500mmlのお湯で3パック濃いめに煮出していきます。
…ん?なんか薄いな??コーン茶でした。間違えた…
セブンでアールグレイを買ってきて、煮出します。
濃いめに煮出して下さい。紅茶の茶色い色の成分である「タンニン」が刃の表面に定着することで、黒錆となります。
ですので濃いめの紅茶の方が綺麗に仕上がります。
酢を用意する
お酢を125mmlほど用意し、先ほど煮出した紅茶と混ぜて下さい。
ブレード(刃)を脱脂する
ブレードはよく脱脂しておきます。ここで汚れが付いていると、仕上がりに差がつきます。
台所用中性洗剤で丹念に洗っておけばOKですね。手の脂が付着しないように気をつけましょう。
溶液にブレード(刃)を漬ける
作成した溶液にブレードをドブ漬けします。サルベージしやすいようにブレードに紐などをくくりつけておくとあとで楽です。
(煮出した紅茶の紐を使いました)
その後、1時間ほど放置します。
ちなみに余談ですが、この溶液は黒錆加工が終わったあと、めちゃくちゃ臭くなります。(3回も嗅いでしまいました。)
黒錆加工完成
1時間ほど放置した後、取り出しました。綺麗に黒錆が付いています。
マットブラックな感じがかっこいいですね。
組み付け
あとは分解した時と逆の手順で組み付けて完了です。
いい感じに黒錆加工出来ましたが、使っているうちにだんだんと落ちてきてしまいます。
そうなってしまったら再度黒錆加工を施工すればOKです。
カーボンスチールのナイフはとても手間がかかりますな。しかしそれも楽しみの一つということですね。
余分な黒錆を落とす
一つ忘れていました。黒錆加工した直後は、ご覧の通りキッチンペーパーなどで拭くと黒錆が付着する状態です。
このまま食品などを切るのはまずいですよね。
そこで、キッチンペーパーに黒錆がつかなくなるまで中性洗剤で洗います。
さらに防錆として、ブレードにオリーブオイルなどを塗りつけておくと良いですね。
切れ味は落ちる??
ちなみに、黒錆加工をすると切れ味が落ちる…?というお話もあるようですので、検証しました。
「野菜たっぷりペンネ」を黒錆加工済みのオピネルナイフNo.10のみで調理してみます。
結果、様々な野菜(パプリカ、ナス、ズッキーニ、アスパラ、トマトetc…)を切りましたが、黒錆加工施工前と比べて、特に切れ味の低下は見られないように感じました。
水分を多く含む野菜を切った後に、赤錆の発生を気にする必要が無くなりますね。神経質なカーボンスチールのオピネルナイフがとても扱いやすくなるという印象です。
黒錆加工したブレードと野菜のコントラストが素敵です(謎)。
酸に注意
注意点として、黒錆加工したナイフは酸に弱いです。
トマトを切ってナイフに付着したトマトのタネを数分そのままにしてしまったのですが、あっという間に黒錆が落ちて色ムラになってしまいました。
レモンやグレープフルーツなどを切った時もすぐに落とすようにすると良いですね。
※黒錆が落ちたところは、再度赤錆が発生するようになります。
ついでにグリップの油漬け
せっかく分解しましたので、グリップの油漬けもやりたいと思います。
OPINELナイフは、グリップ部が水濡れして膨張し、ナイフが開けなくなるというウィークポイントがあります。
そこで、グリップ部に浸水しにくくするために「油漬け」するというカスタムがまことしやかに囁かれております。
この「油漬け」に関しては、その効果について賛否両論ありまして、やるべきかどうか微妙なところではありますが、人柱となって試してみることにしました。
やり方は簡単で、乾性油である荏油(えあぶら)とグリップをジップロックに漬け込みます。
オリーブ油、椿油、なたね油などの不乾性油に漬けてもベタベタになるだけで意味がないので注意です。
こちらの油漬けについての効能はまた別記事にてご紹介したいと思います。
まとめ
- カーボンスチールモデルに黒錆加工をすることで扱いやすくなる
- 黒錆加工は使っているうちに落ちていくので、定期的な施工が必要
- マットブラックな見た目になり、かっこよくなる
以上、オピネルナイフ No.10 カーボンスチールモデルの黒錆加工についてでした。
maagzを最後までお読みいただきありがとうございました。
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