皆様はバックパッキングという言葉をご存じですか?
と認識されていますが、実際のところ、もう少し深い意味合いがあります。
1960年代のアメリカ。新たな価値観を求めて、国内外に飛び出した若者たちが、バックパックを背負っていたことがこの言葉の語源になります。
この頃、バックパッキングとは単に週末を家から離れて過ごすという、レジャーの範疇に留まるものではありませんでした。
バックパック1つで放浪し、自然の中に飛び込み、自然の本質に触れるような生き方そのものでした。
著者自身は、自然の本質に触れるような生き方ができているとは言い難い人間です。ただし、バックパッキングで、海外や登山に出かけて得られた体験は多くのメリットがありました。

バックパッキングスタイルが身につけば得られるメリット
①キャンプサイトの選択肢が広がる
年々高まり続けるキャンプブーム。キャンパーにとって、さまざまなアウトドアギアが開発され、道具の選択肢が増えることや、キャンプ場の選択肢が増えるという恩恵がありますよね。
ただ、ブームのおかげで人気のキャンプ場は飽和気味。やっとのことでキャンプ場の予約をとっても、あまり快適なサイトでは無かった…ということもありませんか?
バックパッキングが身につけば、そんな思いをすることがありません。ソロキャンパーならば、バックパック1つを背負っただけの身軽な体です。
たとえ人気のキャンプ場でも、車が入れないフリーサイトに簡単にアクセスでき、快適な場所でキャンプができます。
②災害時に強くなる
私が住んでいる千葉県の南房総は、2019年に台風15号が直撃し、大きな被害があったエリアです。
写真は当時の自宅前の道路の様子。わが家でも6日間の停電生活を経験しました。
バックパッキング用にそろえた軽量なクッカーや浄水器、バーナーなどは、そのまま防災用品として役立ちました。
被災中には「衣食住を詰め込んだバックパックがひとつあれば、万が一家が使えなくなっても、なんとかなる」という心持ちだったので、精神的に余裕がありました。
③道具の選択が得意になる
バックパッキングの経験があれば、人が生きるために多くの道具を必要としないことが、おのずと解ります。衣食住に最低限必要なものが理解できると、無駄な道具をはぶくことができます。
ただし、荷物の軽量化を勧めているわけではありません。
私の場合、オートキャンプでは無駄を楽しみたいので、お気に入りの道具を車いっぱいに持って行きます。
一方で、山を歩いて山中で野営する場合は、バックパックに収納できる小型の道具を必要なだけ持って出かけます。
バックパッキングに慣れていると、キャンプスタイルに合わせた道具の取捨選択が得意になりますよ。
バックパッキングに必要な道具の選び方
ひとえにバックパッキングに必要な道具といっても、用途によって選ぶ道具の基準が変わってきます。
2~3泊程度のキャンプに出かける際の道具の選び方を、著者が持って行く道具を紹介しながらお伝えいたします。
季節は夏、行く先は標高が高くない場所(標高1000m以下)を想定しています。
背負う
バックパッキングをはじめるにあたって、まず必要なのはバックパックでしょう。
私が愛用しているのは、Six Moon DesignsのSwift 57L(廃盤)です。
30ℓほどの小型のバックパックに衣食住を詰めるのには、必要なものをかなり削って、すべての道具の軽量化を図らなければ難しいと思います。
50ℓ以上の容量がある大型のバックパックならば、あまり道具の重さや大きさにこだわらずに、衣食住の荷物を詰めることができます。
まずはこのクラス (57ℓ)のバックパックを用意すれば間違いがないでしょう。
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