モーラナイフとは
モーラナイフとは、スウェーデンを代表する実用ナイフメーカーです。
創業125年の歴史を誇り、製品は全てMade In Sweden(スウェーデン)。王室御用達ブランドでもあります。
[モーラ]というのは地名でムーラとも呼び、首都ストックホルムの北西部、湖と白樺に囲まれたのどかな町(らしい)。
安価なのに品質の高い製品をリリースしており、多くのキャンプ、登山ファンに愛用されています。
サヤや刃には、誇らしげなMADE IN SWEDEN表記。
ハンドルはグリップ力の高いラバー製で、ナイフ初心者でもめっちゃ扱いやすい。
あくまで実用ナイフ、という感じで極めてシンプルなデザイン。しかし、なぜかおしゃれな感じがします。
いわゆる「北欧デザイン」が成せる技、なんでしょうか。
ステンレススチール製とカーボンスチール製
刃の素材が2種類ラインナップされており、ステンレススチールとカーボンスチールとなります。
ステンレススチールの特徴
メリット
・錆に強い
・切れ味が落ちにくい
デメリット
・研ぐのが難しい
・カーボンスチールに比べ切れ味が劣る
ステンレススチールは丈夫で錆びにくい代わりに研ぎにくく、
カーボンスチールの特徴
メリット
・切れ味が良い
・研ぎやすい
デメリット
・錆びやすい
・水に弱い
カーボンスチールは錆びやすいですが、粘り強く切れ味が良い。
カーボンスチールは水に濡れると30分程度で錆びてしまいますが、水を取り扱わないブッシュクラフトスタイルで使うならば最強です。
用途に合わせてチョイスできると良いですね。
モーラナイフ アウトドアシリーズ
モーラナイフには、アウトドア/キッチン/クラフト/クラシック/カービングという製品群があります。
そのうち「アウトドア」にカテゴライズされる3本をご紹介します。
モーラナイフ コンパニオン ヘビーデューティー レビュー
ブレード素材 | ステンレススチール |
ハンドル素材 | ラバー |
刃渡り | 約10.4cm |
全長 | 約22.4cm |
刃厚 | 約3.2mm |
重量 | 104g |
付属品 | プラスチックシース |
生産国 | スウェーデン |
数多いモーラナイフのラインナップの中でも、最初の1本!と言えるもっともベーシックなコンパニオン ヘビーデューティーのレビューです。
こちらはステンレススチール刃のモデル。
ナイフ本体と、プラスチック製のシース(サヤ)がセットになっています。
「ヘビーデューティー」モデルのみの仕様として、刃厚が3.2mmと、かなり厚めなのが特徴です。
「コンパニオン」通常モデルの刃厚は2.5mm。
バトニング(ナイフを使って木材を叩き割る手法)に使うための刃厚で、薪をガンガンと叩きつけてもへこたれませんし、力が伝わりやすいですね。
いわゆる「フルタング」仕様ではないものの、タフさはかなりのレベル。
写真は、柔らかい針葉樹です。タフといっても、広葉樹は厳しいのでご注意を。
フルタングとは
ブレードがある程度の幅を維持しながらハンドル後端まで伸びているナイフのこと。
そうでないものと比べ、強度が強い。
焚き火の開始時に使用する「フェザースティック」の制作もお手の物。ブッシュクラフトスタイルに最適な一本です。
ただし、刃厚が太いため、食材を細かく切ったりすることは苦手。調理にはやや使いにくい印象です。
モーラナイフ エルドリス スタンダード ブルー レビュー
ブレード素材 | ステンレススチール |
ハンドル素材 | ラバー |
刃渡り | 約5.9cm |
全長 | 約14.3cm |
刃厚 | 約2.0mm |
重量 | 80g(ナイフのみ) |
付属品 | プラスチックシース |
生産国 | スウェーデン |
続いて、エルドリス・スタンダードです。鮮やかなスカンジナビアンブルーが美しいですね。
こちらもステンレススチール刃のモデル。
全長14.3cm、刃渡り5.9cmの[短刀]と呼ぶのにふさわしいコンパクトサイズ。
使う人の心理的負担が減る、というフレンドリーさが最大のメリットで、ナイフ初心者に超おすすめ。
小さいですが基本性能は高く、バドニング、フェザースティック作成もOK。
その他果物ナイフや、ハサミやカッターで切るようなものを切る、といった一般的な使い方にも幅広く対応します。
グリップが小さく力が入れにくいという弱点はあるものの、シース(サヤ)に逆向きに入れることで補えます。
別売りのネックナイフキット(首から携帯するためのアイテム。ファイヤスターター付き。)と一緒に使うことが推奨されています。
それによって「バドニング→フェザースティック作成→火起こし」をエルドリス・スタンダード一本で完結することが可能です。
モーラナイフ カンスボル マルチマウント MG レビュー
ブレード素材 | ステンレススチール |
ハンドル素材 | ポリアミド |
刃渡り | 約10.9cm |
全長 | 約22.6cm |
刃厚 | 約2.5mm |
重量 | 100g(ナイフのみ) |
付属品 | マルチマウントシース、ベルトループ |
生産国 | スウェーデン |
定番のコンパニオンと並ぶ中核モデル、カンスボル・マルチマウントです。
ナイフ単体の「カンスボル」と、マウントキットがセットになった「カンスボル マルチマウント」がラインナップ。
マルチマウントキットの内容。
出典:モーラナイフ
ベルト(腰)やバックパックのショルダーハーネスなどに取り付け可能です。
最大の特徴は、刃の厚みがブレードの中央でぐっと薄くなる変則的なシェイプ。これにより、グッと用途が広がります。
力の必要な作業は根元側、繊細な作業は刃先側といった塩梅。
これは肉屋やハンター歓喜!な仕様で、動物や魚を解体するのに便利です。
モーラナイフ カービングモデル
ここからはちょっとマニアックな、カービングモデルのご紹介です。
主に、木工芸彫刻に使用するナイフですね。
モーラナイフ ウッド カービングJr73 レビュー
ブレード素材 | カーボンスチール |
ハンドル素材 | 樺材 |
刃渡り | 約7.6cm |
全長 | 約17cm |
刃厚 | 約2.0mm |
重量 | 約55g(ナイフのみ) |
付属品 | プラスチックシース |
生産国 | スウェーデン |
ウッド カービングJr73です。木工品を削り出すために購入しました。
グリップが樺材(しらかば)製で、天然素材の温かみのある風合い。アウトドアシリーズのラバーグリップとは雰囲気が大きく異なります。
握り心地も素晴らしく、長時間木工品を削っていても手が痛くなりにくい。
また、シース(サヤ)のデザインも可愛いですね。
木工芸用で水分が触れることがないため、切れ味の良いカーボンスチール製です。
55gと軽量で取り回しがよく、使い勝手が良いですね。
モーラナイフ フックナイフ164 ライト レビュー
ブレード素材 | ステンレススチール |
ハンドル素材 | 樺材 |
刃体の長さ | 約5.5cm |
全長 | 約17cm |
刃厚 | 約2.0mm |
重量 | 約52g(ナイフのみ) |
付属品 | レザーシース |
生産国 | スウェーデン |
フックナイフ164 ライトです。曲線を描いた刃が特徴的。
付属のベージュ色したレザーシース(サヤ)がめっちゃ素敵です。なんかやけに高級感のあるレザーだなあ、と思ったらスウェーデン製植物性タンニンなめし牛革、らしい。
何に使うのかというと、お椀状の木鉢やスプーンを削り出す際に、中をくり抜くためのナイフになります。別名スプーンナイフ。
スウェーデンの[スロイド=手工芸]の文化で使われる、伝統的なナイフです。
ライト(右利き用)、レフト(左利き用)があり、ライト(右利き用)を購入。両刃使用のダブルエッジもあります。
うん、かなりマニアックな製品ですよね(笑)
ウッド カービングJr73と同様に、樺製のグリップは握り心地が快適で、長時間木工に没頭しても手のひらが痛くなりにくいです。
重量も52gと軽量でサクサクと作業を進めることが出来ます。
まとめ
以上、手持ちのモーラナイフについてでした。ブッシュクラフトスタイルを目指すなら欠かせないナイフです。
お値段もお安いですし、一本あるとキャンプスタイルに幅が出て楽しいですよ😊
maagzを最後までお読みいただきありがとうございました。
最初の一本!コンパニオン ヘビーデューティー
まずはコレ。
初心者も安心なエルドリス・スタンダード
心理的負担の少ない一本。
カンスボル
肉屋歓喜仕様。