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ストーブ無し、電源無しの冬キャンプにおける防寒のコツを徹底解説![キャンプ場スタッフ直伝]

冬キャンプの時期がやってきました。冬は焚き火を楽しむのにもってこいの季節。夏と違って、焚き火の前に何時間でも居座ることができ、鍋などの温かい料理を楽しむことができます。

通年通してキャンプを楽しむ方にとっては、冬はいいことづくめの季節。ただし、冬キャンプの快適さを左右するのが、防寒対策です。

nomadou
今回は、ストーブ&電源なしのサイトで役に立つ防寒のコツを、キャンプと登山歴20年、現在キャンプ場のスタッフでもある著者が解説いたします。

衣:レイヤリングと3首の防寒で快適に

レイヤリングについて

真冬のアウトドアを快適に楽しむためには、衣類の選択が重要です。レイヤリング(重ね着)の考え方を実践しています。

「衣類を重ね着する着こなしかた」です。登山をする方にとってはおなじみですね。ベースレイヤー(肌着)、ミッドレイヤー(中間着)、アウターレイヤー(シェル)の3種類を、順に重ね着します。
  1. ベースレイヤー(肌着)・・・素早く汗を吸収して体表から水分を離し、汗冷えを防いで常に肌をドライに保つ役割をします。

  2. ミッドレイヤー(中間着)・・・体温を内側にとどめて、外に逃がさない役割をします。ダウンやフリース、ウールのセーターなどが最適です。
  3. アウターレイヤー(シェル)・・・一番上に着て、風雨や雪から体を守る役割をします。羽織ることで、ミッドレイヤーでとどめた体温を外に逃がさない効果もあります。

ベースレイヤーは、綿やレーヨンなど、汗を吸った場合に乾きにくい素材は避けましょう。

天然繊維ならウール(メリノウールならばなお◎)やシルクの肌着がおすすめ。化繊ならば、通気性・吸汗速乾性に優れた、汗を素早く乾かすような素材の肌着がおすすめ。

保温性を高めるために、身体にフィットしたものを選びましょう。筆者はファイントラック(finetrack)社のドライレイヤーベーシックロングスリーブを愛用しています。

 

ミドルレイヤーはダウンベストとフリースがおすすめです。

著者は薄手のフリースと、ダウンベストを組み合わせてミドルレイヤーにすることが多いです。ダウンベストはアウターシェルの下に着ても、もたつきが少なく腕が動かしやすいからです。

写真で着用しているのは、パタゴニアのメンズ ナノ パフ ジャケットです。

 

アウターレイヤーはゴアテックスなどの、防水、防風、透湿性が高い素材を使ったジャケットが一般的です。

透湿性が高いものがおすすめです。汗を外に逃がして、身体をドライに保つためですね。

冬場のキャンプでも、身体を動かすと意外と汗をかきます。汗をかいたあと、そのままにすると身体がどんどん冷えてしまいます。

写真で着用しているのはTilakのLoke Jacketです。

3つの首はしっかりと防寒する

貼るカイロ

「3つの首(首・手首・足首)」を温めることで快適に過ごすことができます。

3つの首の周辺には、血流の多い血管が走っています。ここを温めることで、全身に温かい血液が巡り、身体がポカポカと温まります。

  • 首…マフラーやネックゲイター。ベースレイヤーやミドルレイヤーをハイネックにするのも効果的
  • 手首…手袋
  • 足首…厚手の靴下。冷え性の方は、靴下の重ね着をしてもよい。テント内では、ダウン素材でできたルームシューズなど
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3首を温めるには貼るカイロも効果的。特におすすめの部分は首。太い血管があるため、全身が効率よく温まります。

カイロは低温やけどをする恐れがあります。必ず衣類の上から貼って使用してください。

住:底冷え対策

テントの底冷え対策

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冬キャンプで眠りにつく際に、最も重要なのが地面からの「底冷え対策」をしっかりと行うこと。

いくら冬用の温かい寝袋を用意しても、地面に接している背中の部分は、寝袋のロフト(かさ高)が体重で潰れてしまいます。ロフトが潰れてしまうと、十分な保温性を発揮することができません。地面から背中に冷気が伝わって、体温が奪われてしまいます。

寝床をしっかりと作って冷気をシャットアウトしましょう。

マットを重ねて効果的に使う

底冷えを防ぐためには、マットを重ねて効果的に使いましょう。

  1. グラウンドシート
  2. インナーテント
  3. インナーマット(グランドマット)
  4. 銀マット(オールウェザーブランケット等)
  5. インフレータブルマットorクローズドセルマット

インナーテントの下にはグラウンドシート、内側にはインナーマットを敷きましょう。インナーマットの上には銀マットがおすすめです。銀マットとは、クッション性のある発砲素材にアルミのシートを貼りつけたマットです。

銀マットの表面のアルミは、人体から出る輻射熱を反射し、熱を身体にとどめる役割があります。銀マットのアルミ面を上に向けて敷きましょう。

車の積載が許せば、できるだけ厚めの銀マットを敷きましょう。寝床のクッション性が向上します。

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コンパクトにまとめたい方には、銀マットと同じように、アルミのシートが貼りつけられているAll Weather Blanket(オールウェザーブランケット)をおすすめします。

 

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銀マットやオールウェザーブランケットの上には、空気で膨らむインフレータブルマットや、クローズドセルマットを敷きましょう。

私はLOGOSの(高密弾力)55セルフインフレートマット・SOLOを愛用しています。

コットを使用する

さらに、コットを使えば身体と地面との間に空間ができるので、冷気が伝わりにくくなります。

  1. 銀マット
  2. コット
  3. インフレータブルマットやクローズドセルマット
  4. 寝袋

の順に敷きましょう。

寝袋を2枚重ねる

冬キャンプで眠る際に、外気からやってくる冷えを防ぐために、寝袋に工夫をしましょう。

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厳冬期用の寝袋を持っていれば快適ですが、持っていない方は、3シーズン用の寝袋を2枚重ねるという手もあります。

その場合、外側に使う寝袋は封筒型、内側に使う寝袋は体にフィットするマミー型の寝袋を使えば、窮屈さを感じません。

ここで注意点。寝袋に入る際は、防水性や防風性のあるアウターは脱ぎましょう。寝袋の中綿を、体温で温めることができないため、寒さを強く感じてしまいます。

インナーシーツやシュラフカバーで保温性を高める

cocoon(コクーン)の100%シルク製のインナーシーツ

寝袋の中にインナーシーツを入れ、寝袋をシュラフカバーに入れることで、保温性を高めることができます。

インナーシーツは肌触りが良いので、保温だけでなく寝心地もアップします。

著者はcocoon(コクーン)の100%シルク製のインナーシーツを使用しています。この製品、メーカーの品質保証テストでは、寝袋の中の温度が5.3度も上がることが証明されています。

使用すると、寝袋の中が驚くほど温かくなるので、冬キャンプには欠かせません。

食:身体の内側から温める

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温かい飲み物を飲み、鍋やスープなどを食べることで、身体を内側から温めることができます。

おすすめはショウガ入りの飲み物です。ショウガにはショウガオールという成分が含まれており、血液の循環を良くする働きがあります。

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温かい飲み物に小さじ1杯ほどのショウガを刻んで入れてから、飲んでみてくださいね。2~3時間はポカポカ効果が持続するのを実感できるはずです。

また、チャイに使われているシナモンには、冷え性予防効果があります。スパイスとショウガを効かせたジンジャーチャイもおすすめです。

>>次ページで冬キャンプにオススメの防寒アイテムをご紹介。

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