今回は冬キャンプで初心者の方が見落としがちなリスクと解決法を、キャンプ場スタッフである私がご紹介いたします!
対策を知って、快適な冬キャンプを楽しみましょう。
冬キャンプは無理のないプランニングが重要
冬キャンプでの忘れ物は痛い目を見る!チェックリストを作ろう
夏キャンプと比べて、冬キャンプは荷物が多くなります。荷物が増えれば忘れ物も多くなるものです。
ストーブなどの暖房器具や防寒グッズなどを忘れてしまうと、快適さに大きく影響を与えます。出かける前に荷物のチェックリストを作り、荷物の管理をしっかりしましょう。
冬の日没は早い、行動は早めに
冬は日没が早く、日が落ちると気温がグンと下がります。夏のキャンプに比べて行動できる時間が限られているだけでなく、防寒のための対策などやることも多くなります。
午後にキャンプ地について、ゆったりと過ごしていると、すぐに夜になっていることも…。
キャンプ地やキャンプの方法へのこだわりを捨てよう
冬キャンプではキャンプ地の選択も重要です。
冬キャンプに慣れないうちはキャンプ地にこだわらず、標高の低い場所にあるキャンプ場にでかけるのも賢い選択だと思います。
また、キャンプの方法へのこだわりも捨てましょう。強烈な寒波の影響で、キャンプ地の気温が予想以上に下がることも考えられます。
夏のうちはフリーサイトでキャンプを楽しんでいる方でも、自分の装備でどれだけの寒さに耐えられるかわからないうちは、電源付きサイトを選ぶという手もあります。
テント泊に拘らずに、暖房などの設備が整ったコテージで、ひとまず冬キャンプを体験してみるのもいいですね。
避けて通れないテントの結露問題
冬キャンプで避けては通れないのがテントの結露問題です。結露が起きる原因は、テントの内と外との気温差です。
快適に過ごすためにはしっかりとした結露対策が欠かせません。
結露の基本的な対策は下記になります。
- こまめな換気を行い、定期的にテントの内と外との気温差を無くす
- 海や川の近く、草が生い茂るキャンプ地などの、湿気が多い場所を避けてテントを設営する
- 吸湿性の高い、コットンやポリコットン製のテントを導入する
- サーキュレーターを効果的に使用する
- 結露をふき取る道具を用意する
サーキュレーターの効果的な使用法と、結露をふき取る道具について補足いたします。
テント内で暖房を使った場合、温かい空気はテントの上部に溜まります。
シーリングファンのように、サーキュレーターをテントの上部に設置すれば、空気の循環が促されて結露の軽減につながります。
また、ベンチレーションの近くにサーキュレーターを設置するのも効果的です。外からの冷たい空気を多く取り入れることで、テント内外の気温差を減らし、結露の軽減に繋がるからです。
結露をふき取るためにあると便利な道具ですが、マイクロファイバー製などの吸水性が高く、速乾性に優れたタオルをおすすめします。気が付いたときにテント内の結露をふき取るようにしましょう。
テントの上部からポタポタと落ちてくる結露を拭くためには、ハンディモップがあると便利です。ハンディモップもマイクロファイバー製のものを用意しましょう。
ほとんどの火器は使い物にならない!?最強なのはガソリンストーブ
厳冬期になるとOD缶やCB缶を利用するバーナーは火がつかなかったり、ついても火力が弱く、お湯を沸かすことができないことがあります。
各社から冬用のパワーガスが販売されていますが、連続使用すると徐々に出力が落ちていき、使えなくなることが多々あります。
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アルコールストーブもほとんどのものは寒さには弱く、強い火力を得ることができません。冬キャンプのメインの火器としては厳しいですね。
火器ではありませんが、エスビットなどの固形燃料は寒さの影響を受けないので、冬キャンでも安心して使用できます。ただし火力が弱いので、これだけですべての料理をまかなうのは難しいと思います。
冬キャンプで最強なのはガソリンストーブです。プレヒートが必要なものが多く点火までに時間がかかりますが、どんなに寒くても火力は安定しており、高火力なので安心感があります。
著者の場合、冬キャンプでは焚き火でほとんどの調理をして、バーナーはホワイトガソリンを燃料に使用するOPTIMUSのSVEA123Rを使用しています。
一酸化炭素中毒には要注意
冬キャンプでは、ストーブなどの火器や、炭などを誤って使用すると一酸化炭素中毒になるリスクが高くなります。
基本的にストーブなどの火器は締め切った場所では使用しないほうがいいです。
テントの中に火器を入れる場合は、必ずベンチレーションを開き、出入口をメッシュにするなど、換気を促す対策が必要です。
また、定期的にテントを全開にして、換気をしましょう。
冬キャンプでストーブを使用する際に、あると便利なのが、一酸化炭素チェッカーです。
一酸化炭素濃度が上がると、アラームで注意喚起をしてくれる道具です。換気をこまめに行うなどの対策を行った上で併用しましょう。
実は寒さに弱いポータブル電源
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寒い場所ではスマホのバッテリーがすぐに無くなるのと同じように、ポータブル電源も冬キャンプでは電池の消費が激しくなり、急激に電気の残量が無くなります。
絶大な信頼をおくのはやめておきましょう。
- 直に地面に置くことは避け、できるだけテント内の暖かい場所に設置して使用する
- 保温バッグにポータブル電源を入れ、使い捨てカイロや湯たんぽと一緒にして保温する(ただし、ポータブル電源のメーカーが推奨する使い方ではないので、自己責任になります)
などの工夫をすることで、電気の残量の急激な減少を押さえることができます。
飲み水の確保を忘れずに
意外と見落としがちなのが飲み水の確保です。
氷点下まで気温が下がった場合、キャンプ場によっては朝方に水道が凍結してしまい、水が使用できなくなることがあります。寝る前に、次の日に使用する水を確保しておきましょう。
ペットボトルなどの容器に入った水は、外に放置するとカチカチに凍ってしまいます。飲み水はクーラーボックスの中に入れておきましょう。クーラーボックスの中は外気よりも暖かいので、凍ることなく保管ができます。
温めたお湯を、保温性のあるポットやジャグに入れておけば、いつでも温かい飲み物が飲めるので、安心です。
さいごに
冬キャンプで初心者が見落としがちなリスクとその解決法についてお伝えいたしました。
実際に冬キャンプは防寒のために必要な装備が多く、夏キャンプよりもしっかりとした準備が必要なので、ハードルが高めだと思います。
ただし、他のシーズンにはない魅力があるのが冬キャンプ。寒空の下で食べる温かい食事や、焚き火のありがたみを感じることができます。今回の記事が冬キャンプデビューの参考になれば幸いです。
しっかり準備して冬キャンプにチャレンジしてくださいね!
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